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ネガティブにならず創造力を鍛える、マインドワンダリングとは?

こんにちは!ブログ主のはじめと申します。

 

今回は、マインドワンダリング(Mind-wandering:MW)について、

過去にうつ状態適応障害を抱えた経験のある、

私なりの見解をまとめたものを紹介いたします。

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◆マインドワンダリングとは?

 昨今、マインドフルネスというワードは良く目にしますし、

私も過去にメリット具体的なやり方について紹介しております。 一方で、”マインドワンダリング”というワードはご存じでしょうか?

 

マインドワンダリングを分解すると、

マインド:心、精神、思考、意志

ワンダリング:感嘆する、不思議に思う、彷徨う(さまよう)

 

心、精神、思考、意志が感嘆したり、さまよっている状態、

これは、どういう状態でしょうか?

 

心理学ではこれを、「心の迷走」と捉えられているようです。

 

どこにフラフラ行ってしまうかというと、

主に「過去」への迷走、あるいは「未来」への彷徨いだそうです。

そしてこのマインドワンダリングは平均して1日の思考の30~50%も占めている、

という統計結果がハーバード大学の研究で出ているそうです。

 

また、マインドワンダリングとは、

現在遂行中の作業や課題から、

それと無関係な思考へと注意が移る現象であり、

さらに、ネガティブ感情と双方向に関係するそうです。

 

そこで、この「心の迷走」の制御法を検討された結果、

一種の解決方法として、

「今、ここに集中する。」でお馴染みの

”マインドフルネス”が誕生したわけです。

 

よって、マインドワンダリング】をグーグルで検索しても、

・マインドワンダリングを回避して、マインドフルネスをしましょう!

・マインドワンダリングはストレスホルモン増幅の元である!

などの検索結果が多く、NHKから下記の出版物も出ているほどでした。

N H K スペシャル取材班『キラーストレス―心と体をどう守るか』/ブログ/霊芝の上薬研究所

 

 

一方で、このマインドワンダリングには、

注意力散漫やネガティブ思考の増幅により精神疾患を来す可能性がある等の

ネガティブ面だけではなく、

 

創造的な問題解決や洞察問題に取り組んだ後、一時的に問題から離れている期間(あたため期)にマインドワンダリングを行うことで、その解決が増進されることが報告されていたり(Baird et al., 2012; Tan et al., 2015; 山岡・湯川,2016))、

 

日頃マインドワンダリングを頻繁にしている人の方が、創造性が高いことが報告されていたり(Baird et al., 2012; Preiss, Cosmelli, Grau, & Ortiz, 2016 山岡・湯川,2017))、

 

そのようなポジティブ面にも、昨今の研究で焦点を当てられています。

 

要は、

・お皿洗っている間に、これまで悩んでいた問題をパッと解決できちゃった!

・シャワー浴びている間に、なんか面白いアイデアが思い浮かんじゃった!

 

とか、そのような瞬間が(ありますよね 笑)、

論文で研究結果として正式に出ている、というわけです。

 

リンゴが落ちる瞬間を見て「なぜリンゴは落ちるのだろう?」という思考を巡らせ、

重力の法則を導き出したニュートン(諸説あり)、

 

自宅で猫をボーっと見ながら、猫にのりうつって視点を変えたときに、

自分たち人間はどのように見えるのだろう、という仮説を思いついて、

吾輩は猫である」という小説に仕上げた夏目漱石(諸説あり)、

 

上記然り、日頃のマインドワンダリングによる創造力の鍛錬によって、

様々なアイデアが生まれ、社会をより充実されているのも事実です。

  

ただし、

創造性を増進することは社会にとって有用であると考えらますが、

創造性の高い人は精神的に不健康であると指摘されているのも事実です。

 

クリエイティブな方面で著名な方は実はADHDなどの精神疾患を抱えていた!

なんて記事もよく見かけますよね。

 

創造性を増進しつつ、ネガティブ思考もしない

っていうのがいちばん有難いんですけどね…

 

そんなことが可能になる思考方法が論文出てないのかなぁ~

なんて思い、調べていたら、

なんとありました!笑

 

創造性および抑うつ傾向とマインドワンダリングの特徴との関連

創造性が高く精神的に健康な人は,マインドワンダリング中に過去のことを考える頻度が少ないことが示された。本研究の結果は,マインドワンダリングを用いて,精神的健康を維持しつつ創造性を増進するための基礎的知見を示したといえる。(山岡明奈 筑波大学,日本芸術振興会 湯川進太郎 筑波大学 2019年)

 

要は、

マインドワンダリングとはいっても、

過去のことを考える頻度が少なければ、

ネガティブ感情の増幅に影響を及ぼさずに、

創造性の増進することができる、

という可能性が示唆された、ということです。

 

1日の思考の30~50%も占めている日頃のマインドワンダリングも、

上記の点に気を付けてさえいれば、

ネガティブにならず、なおかつ

クリエイティブな思考を持てるかもしれない!

という見解でした。

 

 

◆おわりに

以上が今回の記事のまとめとなります。

 

私は銭湯でサウナ浴をしているときに、

マインドフルネスを意識するのですが、

マインドフルネスが十分に行えたら、その後に、

マインドワンダリングも行うことで、

ブログの記事のアイデアや将来のビジョンの構想を練ると、

かなり突飛なもの、面白いものが出てくる、

という経験がよくあります。

 

これは、過去ではなく未来の構想ですね。

これでネガティブになったことは一度もありません。

 

また、

人によっては、仕事などやることからいったん離れて、

まったく関係のない空間に足を運ばせて、

妄想、構想する時間を1~2時間設けるようにする、

という著名人もいるようですね。

マインドワンダリングをかなり重要視しているように見受けられます。 

 

今後もマインドワンダリングのネガティブ面を意識して気を付けた上で、

精神衛生を保ちつつも、創造力を向上させ、

人生をより豊かにしていきたいな、という所存でございます。

 

本記事があなたの生活や精神疾患寛解、周りの精神疾患を抱えている方々の

一助になることが出来れば、これに勝る喜びはございません。

 

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最後までご閲覧いただき、ありがとうございましたm(_ _)m

 

 

 

参考文献:

 マインドフルネス、注意制御機能、 マインドワンダリングおよび感情の関連

近年,ネガティブ気分と関連する現象として,マインドワンダリングが注目されている。マインドワンダリングとは,現在遂行中の作業や課題から,それと無関係な思考へと注意が移る一般的かつ日常的な現象であり(Smallwood &Schooler, 2006),過剰なマインドワンダリングを減らすこと
によって,心理的問題の改善につながると考えられる。マインドワンダリングはマインドフルネスと対立概念であることが指摘されている。マインドフルネスは,「awareness(気づき)」と「acceptance(受容)」の 2 つの要素から構成されるが(Cardaciotto, Herbert, Forman, Moitra, & Farrow,2008),一方でマインドフルネスは注意制御機能と関連する可能性が指摘されている(杉浦,2008)。従って,マインドフルネスとマインドワンダリングの関連を検討する際には,注意制御機能を含めて検討する必要があると考えられる。よって,本研究ではマインドフルネスおよび注意制御機能と,マインドワンダリングおよび感情の関連を質問紙調査によって検討することを目的とする。

注意制御機能が高まり、マインドワンダリングが減少することによって、ネガティブ感情が低減すること、マインドフルネスのアクセプタンスが直接ネガティブ感情を低減する ことが示唆された。マインドワンダリングの制御には、 注意制御機能およびマインドフルネスのアクセプタンスが有効である可能性が示された。マインドワンダリングは一般的・日常的な 現象であることから、マインドワンダリングの制御に困難感を抱いている人は少なくないと考えられる。

人間心理学におけるアクセプタンス、受容とは、その人が置かれた現実の状況について、変化や抵抗しようとせずに、その過程や状況を理解しようとする姿である。その多くはネガティブで不快な状況についての姿勢である。

(2018-09-25)

創造性および抑うつ傾向とマインドワンダリングの特徴との関連

創造性を増進することは社会にとって有用であると考えられるが,しばしば創造性の高い人は精神的に不健康であると指摘されてきた。一方で,近年では創造性が高くても精神的に健康な人の存在も示唆されている。そこで本研究では,創造性と精神的健康の両方と関連深い概念として知られているマインドワンダリングという現象に着目し,創造性の高さや精神的健康さの違いによって,マインドワンダリングの特徴に違いかあるのかを実験的に検討した。まず,62名の参加者の創造性と抑うつ傾向およびワーキングメモリ容量を測定した。その後,思考プローブ法を用いて,映像視聴中のマインドワンダリングの思考内容,自覚の有無,話題数を測定した。

分析の結果,創造性が高く精神的に健康な人は,マインドワンダリング中に過去のことを考える頻度が少ないことが示された。本研究の結果は,マインドワンダリングを用いて,精神的健康を維持しつつ創造性を増進するための基礎的知見を示したといえる。

(2019-06-30)

あたため期に生じるマインドワンダリングの思考内容の操作について

あたため期は,問題解決という認知的負荷の高い状況から一旦離れて,認知的負荷の低い状況に身を置くという点で,脳を休憩させている期間といえるため, マインドワンダリングが頻繁に生じる状況と一致している。

(2019-09-11)