児童期・青年期に見られる障害・症状について
こんにちは!ブログ主のはじめと申します。
今回は、精神医学の基礎知識である、精神疾患について、
私なりの見解をまとめたものを紹介いたします。
◆ご自身の精神疾患はどのようなものか説明できますか?
本記事は、前回の記事の続きとなります。
疾患名をそれぞれ、下記項目にまとめて解説していきます。
【概要】
【症状】
【原因】
【治療】
(最後にまとめて【カウンセラーとしての注意点】)
今回で、疾患名シリーズは〆となります!
9.児童期・青年期に見られる障害・症状
【概要】
正常な社会的関係を構築することができず、
言葉の使い方に異常がみられるか、まったく言葉を使おうとせず、
強迫的な行動や儀式的な行動がみられる病気です。
【症状】
・社会的コミュニケーションと対人関係
・行動、興味、活動
これらに支障をきたし、支援が必要となる状態。
知能指数が50未満の小児の場合、青年期に至る前にけいれん発作が起こります。
また、個人差が非常に大きく、症状の現れ方も個人によって大きく異なります。
【原因】
主に、遺伝的異常との関連性が示唆されている
【治療】
・行動療法
・言語療法
・ときに薬物療法
自閉スペクトラム症 - 23. 小児の健康上の問題 - MSDマニュアル家庭版
自閉スペクトラム症 - 19. 小児科 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
②注意欠如・多動症(注意欠陥・多動性障害)(ADD, ADHD)
【概要】
注意力が乏しいか注意の持続時間が短い状態、
年齢不相応の過剰な活動性や衝動性のため
機能や発達が妨げられている状態、あるいはこれら両方に該当する状態です。
【症状】
・集中力の低下
・課題をやり遂げられない(遂行能力が低い)
・落ち着きがない
・気分の変動
・忍耐力がない
・関係を維持できない
【原因】
神経伝達物質の異常が関与している可能性が高いことが分かっています。
多くの場合、遺伝的要因が存在します。
他の危険因子として、
低出生体重(1500グラム未満)、頭部のけが、脳の感染症、
鉄欠乏症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、鉛中毒、
出生前にアルコール、タバコ、コカインにさらされることなどがあります。
【治療】
・刺激薬
・行動変容
注意欠如・多動症(ADHD) - 23. 小児の健康上の問題 - MSDマニュアル家庭版
注意欠如・多動症(ADD,ADHD) - 19. 小児科 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
③学習症(学習障害)
【概要】
学習障害がある小児は、注意力、記憶力、論理的思考力が欠けているため、
特定の技能や情報を習得したり、記憶したり、幅広く使ったりすることができず、
学業成績にも影響が出ます。
【症状】
色の名前や文字を覚えたり、身近なものに名前を付けたり、
数を数えたりなどといった小児期の初期に身につける能力の習得過程の遅れ
読み書きの習得の遅れ、
注意持続時間が短かったり、注意散漫だったりする。
【原因】
母親の病気や妊娠中の毒性のある薬剤の使用、
妊娠中や分娩中の合併症(例えば妊娠高血圧腎症や遷延分娩)、
出生時の新生児の問題(例えば未熟性、低出生体重、重度の黄疸、過熟)
など
出生後の考えられる因子としては、
鉛などの環境有害物質への曝露、中枢神経系感染症、
がんとその治療、低栄養、重度の社会的隔離、
情緒的ネグレクトや情緒的虐待
など
【治療】
教育的管理
食品添加物を除去したり、ビタミンを大量投与したり、
小児の体の微量ミネラルを分析したりするなどといった
対策がなされることは多いですが、いずれも効果は実証されていません。
学業成績、知能、学習能力全般にあまり大きな影響を及ぼす薬物療法はありません。
学習障害 - 23. 小児の健康上の問題 - MSDマニュアル家庭版
学習障害の概要 - 19. 小児科 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
④チック症
【概要】
チックとは、
目的のない同じような不随意運動が
素早く不規則に繰り返される現象(運動チック)や、
意図しない音や言葉が突然繰り返し
発せられる現象(音声チック)です。
チックは意識的に努力することで短時間だけ抑えることができます。
トゥレット症候群は、
1年以上にわたって運動チックと音声チックの両方がみられるときに診断されます。
【症状】
単純性チック:肩をすくめる、まばたき、急に首をひねる
複雑性チック:顔の表情を変える、跳ねる、触る
運動チック:咳をする、鼻を鳴らす
音声チック:状況に合わない単語を繰り返す、汚言症
【原因】
原因は分かっていませんが、
家系内で多発する傾向があるため、
遺伝的な要因が関与していると考えられています。
【治療】
・安心させる言葉と支援
・薬剤
小児と青年におけるトゥレット症候群とその他のチック症 - 23. 小児の健康上の問題 - MSDマニュアル家庭版
小児および青年におけるチック症およびトゥレット症候群 - 19. 小児科 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
【上記疾患・障害に対する総合的なカウンセラーとしての注意点】
安易な自己判断でカウンセリングを引き受けるのではなく、
症状がみられる場合には、すぐに病院などの専門機関に
リファーすることを心掛けましょう。
児童虐待の可能性が考えられる場合:
1.身体的虐待:
子供に対する身体的暴力が主。
打撲傷、骨折、火傷、激しく揺さぶる、溺れさせる、
首を絞める、縄などにより一室に拘束するなどの行動
2.心理的虐待:
子供に対して、強迫したり非難をするなど、
言葉による脅しだけでなく、無視をすることも心理的虐待に入る。
その他には、兄弟・姉妹間の差別的な扱いをしたり、
子供が見ている前で暴力行為を行う等
3.性的虐待:
子供に対して実際に性的行為を行うだけでなく、
性行為を見せる、性器を触る、触らせるなどの行動
4.ネグレクト
養育の拒否や、学校に通わせない、衣食住の世話をしない、
家の中に閉じ込める、不潔にする、車の中に放置する、
病気になっても病院に連れて行かない等
【児童虐待により起こる症状】
虐待された子供に見られる症状としては、
子供の時期には発達の遅れや新旧の外相が見られるほか、
過食や多飲などの問題行動、情緒や言語発達の遅れを
はじめとする症状がみられることがあります。
特に、感情や衝動のコントロールが困難になったり、
自己評価が低く、自分や他者を傷付けやすいことなどが問題となりやすく、
心的外傷後ストレス障害をはじめとした、精神疾患を呈しやすくなります。
【カウンセラーとしての注意点】
虐待の可能性が考えられる場合には、児童相談所や警察にリファーが必要となります。
まずは、子供の命をまもることを第一に考え、行動するように心掛けておきましょう。
悩むときには、周りのカウンセラーへの報告と相談も心掛けましょう。
小児に対するネグレクトと虐待の概要 - 23. 小児の健康上の問題 - MSDマニュアル家庭版
小児虐待の概要 - 19. 小児科 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
…
心理カウンセラーとしてのまとめ
来談者が精神疾患を抱えている場合には、
カウンセラーは安易にカウンセリングを引き受けるのではなく、
他の専門機関との連携を取り、リファーをしなければなりません。
実際には、病院で薬物療法を受けていながらも、
医師との関係に不満を抱き、カウンセリングに訪れる来談者もいます。
このような時、カウンセラーが安易にカウンセリングを引き受けることは、
非常に危険な行為となります。
精神疾患・障害を抱えた来談者には、
薬物療法が必要である場合がほとんどです。
カウンセラーが医師と来談者の関係性に入っていくことで、
治療行為の妨げになることもあるので、
カウンセリングを引き受けるかどうかの判断をするときには、
細心の注意と現状の確認が必要です。
その一つの指標が、精神医学の基礎知識です。
精神疾患・障害は全てリファーが必要となるケースで、
医師・福祉・学校などの他の専門領域との連携が絶対に必要となります。
もし、医師との連携を来談者が拒否する場合には、
カウンセリングを引き受けられないことをきちんと伝えましょう。
また、診断名や診断基準は、時代と共に変化するものです。
最新の情報を常にアンテナを張りながら、
学びを深めていく姿勢を大切にしていきましょう。
…
◆おわりに
以上が今回の記事のまとめとなります。
カウンセラーは、来談者が精神疾患を抱えている場合、
カウンセリングを実施する前に、
来談者の主治医にカウンセリング実施の許可が降りているかを
確認する必要があります。
患者の立場であり、精神疾患を抱えている場合は、
主治医にカウンセリング実施の許諾を得るように心掛けましょう。
本記事があなたの生活や精神疾患の寛解、周りの精神疾患を抱えている方々の
一助になることが出来れば、これに勝る喜びはございません。
また、もしよろしければ、
下記ボタンより購読、SNSでのシェア、
ブラウザのお気に入り、ブックマーク登録
をしていただけますと幸いです。
最後までご閲覧いただき、ありがとうございましたm(_ _)m